森羅万象から学ぶ人生羅針盤「一歩下がって見つめる」
2022.08.26
森羅万象から学ぶ人生羅針盤「一歩下がって見つめる」
傍目八目(おかめはちもく)という四字熟語があります。岡目八目とも書き、元々は囲碁で用いられていた用語で、傍目(岡目)とは脇から見ることです。
つまり、囲碁の対局を脇で観戦している人の方が、冷静に局面を判断できるので、手数(てかず)を8目先まで見通すことができる傾向から生まれた言葉です。物事の真相や利害得失などは、当事者よりもかえって的確に捉えることができることの例えなのです(日本大百科全書〈ニッポニカ〉より抜粋・要約)。
当事者だと様々な利害や感情に直面しなければならないので、おのずから冷静さを欠く傾向があるでしょう。そのためには、自ら進んで一歩下がって見つめることを実行するのです。こうすることで、意図的に当事者意識をなくし、自分を客観視して俯瞰すれば、利害に対して冷静になれるのです。
これに関連して、以前1973年(昭和48年)12月に、愛知県で起きた豊川信用金庫事件についてご案内しました。女子高生の会話に多くの尾ひれがつき、豊川信用金庫が破綻するというデマに発展したのですが、金融に関する正しい知識を持っていた人は、一歩下がって冷静に判断し、一切慌てなかったのです。
そして、文字通り、一歩下がれば視野が広がります。そうすると、見失っていたものが見えてくるのです。例えば、大地震でつぶれた家の横で、なんともない家がありますが、その違いはどこにあるのかにも目を向けられるのです。
さらに、言葉の意味に中立的に捉えることができます。例えば、外国人が「納豆が好きだ」といっても必ずしも日本贔屓とは限りません。なぜなら、単なる食の嗜好に過ぎないからです。
このように、一歩下がって見つめれば、誤解や偏見を取り除くことができ、物事の本質や真実が分かることを肝に銘じておきましょう。
社長ブログ新着記事
-
森羅万象から学ぶ人生羅針盤「言葉を失うような出来栄え」
-
森羅万象から学ぶ人生羅針盤「成功してこそ決断」
-
森羅万象から学ぶ人生羅針盤「やましい心根の人とは距離を置く」
-
森羅万象から学ぶ人生羅針盤「人間としての真の値打ち」
-
森羅万象から学ぶ人生羅針盤「夢は前だけにある」