森羅万象から学ぶ人生羅針盤「適度な侠気を示す」
2022.09.09
森羅万象から学ぶ人生羅針盤「適度な侠気を示す」
侠気は「きょうき」とも「おとこぎ」とも読め、苦しんでいる人や弱い人に対して、「放っておけない」と積極的に救いの手を差し伸べる気持ちを表した言葉です。弱きを助け強きを挫き、体を張って自己犠牲に及ぶ精神とも言えましょう。
そんな侠気について、中国の古典『菜根譚』のなかの言葉に、「友と交わるには、すべからく三分の侠気を帯ぶべし」とあります。友達を助ける気持ちは極めて重要ですが、そればかりに支配されていると自分を見失うことになります。つまり、友達付き合いにおいて、援助行動に及ぶ気持ちは、全体の3割程度に留めておくべきであるという指摘なのです。
俳優の森繫久彌氏が歌った『人を恋うる歌』は、歌人の与謝野鉄幹が作詞したものですが、その中にも「友を選ばば書を読みて、六分の侠気、四分の熱」とあります。友人は、読書家で義侠心に厚く、情熱的な人物が良いのですが、それでも援助行動に及ぶ気持ちは、全体の6割程度に留めるのがベストであるとしています。
そもそも友情とは、困っているときに助け合う相互扶助の関係ではないのです。以前、真の友情とは、自分自身がどん底の状態にあっても、友人の成功を心から喜べることであるとご案内しました。それなのに、自分のピンチに助けてくれなければ友人ではないと思っているのなら、その認識を今すぐ改めましょう。
友人を助けるために、自分が犠牲になることは友情などではなく、単なる同情に過ぎないのです。しかし、だからといって、まったくドライに構える必要はありません。お互いに迷惑をかけないように気遣い、あくまでも適度な侠気を示すことが大事であることを肝に銘じておきましょう。
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