森羅万象から学ぶ人生羅針盤「常に見られていることを認識する」
2022.09.13
森羅万象から学ぶ人生羅針盤「常に見られていることを認識する」
中国の古典『中庸』に「隠れたるより見(あら)わるるは莫(な)く、微(かす)かなるより顕(あきら)かなるは莫し。故に君子はその独りを慎むなり」があります。隠れて行うことは人に知られるものであり、見えにくいものほどよく見えてしまうので、立派な人は仮に一人でいる時でも自分の行いを慎んでいるという意味です。
人は往々にして、意外に他人の行動を見ているものです。特に、部下は上司の一挙手一投足を余すところなく見ており、その一つひとつに対して評価しています。例えば、普段はマナーや礼儀、道徳に厳しいにも拘わらず、何気なくタバコのポイ捨てなどをしている姿を見ると、一気に信頼を失うものです。
これに関連して、ある人気タレントが後輩に対して、「ロケにおいては、カメラが止まってからが本番だと思え」とアドバイスしました。つまり、その現場を見学している一般人は、そこでタレントの素の部分を知ることになり、真の人間性を評価するのです。
例えば、普段はにこやかなイメージのタレントが、撮影がオフになった瞬間に横柄になったり、無愛想になったりすれば、間違いなくイメージダウンにつながります。今の時代であれば、ネットに書き込みがされ炎上してしまうのです。
そうならないようにするには、仮に自宅で一人きりになっている時でも、常に自分を律しておくのです。そうしておけば、一歩外に出ても、あえて気持ちを切り替える必要はなく、平常心のままでいられます。
まさにこれは、前述の「独りを慎む」の慎独の習得法の1つです。常に見られていることを認識すれば、自然と欲望や雑念が克服され、人格者となるための第一歩を踏み出せることを忘れないでください。
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