森羅万象から学ぶ人生羅針盤「長期的な真の利益を実現する」
2022.10.11
森羅万象から学ぶ人生羅針盤「長期的な真の利益を実現する」
二宮尊徳の言葉に、「誠実にして、はじめて禍を福に変えることができる。術策は役に立たない」があります。天災や事件、事故に遭遇したり、不運に見舞われたりして悪い状況に陥った場合、誠実な気持ちがないと相手にとって何が大事なのかが分からず、真の援助ができないままになり、事態は好転しないことを示しています。
そして、術策とは、国語的には謀(はかりごと)という意味であるため、そもそも相手の利益を考えていません。そんな付け焼き刃な手法を弄すれば、その本質が表面上の行為であることを見破られてしまうのです。
例えば、昨今大問題とされているカルト教団の霊感商法ですが、本当に困っている人に、「これはご利益(りやく)がある特別なもの」と謳って、高価な壺を売りつけることなどは、まさに術策の極みです。確かにそんなものを手に入れた瞬間は、大喜びするでしょう、しかし、当然ながらその後何も起こらず、悩みは一切解決することなく、禍を福に変えたことにはなりません。
誠実さがもたらす福は、経営学者P.F.ドラッカー氏が唱えている「知りながら害をなすな」という姿勢に裏打ちされています。例えば、悩みを解決する方法を誠実に示すのなら、言うまでもなく霊感商法などはもってのほかです。まずは科学的、法律的、心理学や脳科学などで客観性が証明されている精神療法をもって、具体的なサポートをすることがベストです。
そしてそれがきっかけとなって、最終的に自分の力で禍を福に変えようという気持ちになれば、まさに相手の長期的な真の利益を実現することになります。それは、ビジネスだけでなく、本当に価値ある人間関係構築に必要不可欠な要素であることを忘れないでください。
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