森羅万象から学ぶ人生羅針盤「若者の手本になる」
2022.10.19
森羅万象から学ぶ人生羅針盤「若者の手本になる」
古代ローマ帝国の政治家セネカの言葉に、「老人が長く生きてきたことを証明するものを、年齢以外に何も持っていないことほど不名誉なことはない」があります。
こうした人は、皮肉を込められて「人生の先輩」と呼ばれるだけです。本当に尊敬される老人は、「多くの人から慕われてきた」「困っている人を人知れず援助していた」「優れた技術を開発した」などの、具体的な褒め言葉で評価されます。
どのような老人でも何かしら取柄や長所を有しているのに、それを認めてもらえないのは、そういう人に限って、長幼の序という言葉を自分勝手に解釈し、老人であるだけで自分は偉いと錯覚しているからです。
そのため、誰もが自分に対して一目置いてくれると勘違いして、初対面の赤の他人に偉そうな言葉遣いをしたり、ゴミの分別を無視したり、平気で行列の横入りをしたりするなど、マナー違反を特権と思っているのです。
それに対して、尊敬される老人は、どんな年齢や立場の人にも正しい言葉遣いをし、率先してマナーや礼儀、道徳、ルールを守り、決して自慢することなく常に謙虚で、自分の価値観を押し付けたりしません。
そんな姿を若者が見れば、「自分もこんな老人になりたい」と素直に憧れるものです。「若者に嫌われる老人にはならない」とは、若者に媚びるという意味ではなく、手本になることで大いに尊敬されることなのです。
まさに、その人格や実績、所作のすべてが若者の手本になっていることを、正しく長く生きてきたことの証明にすべきと強く認識しましょう。
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