森羅万象から学ぶ人生羅針盤「天を信じ幸福を積み重ねる」
2022.10.26
森羅万象から学ぶ人生羅針盤「天を信じ幸福を積み重ねる」
作家の浅田次郎氏は、その著作『絶対幸福主義』のなかで、「苦労とは、すればいいというものではない。苦労がすっかり板につき、顔にまで出てしまう人生は不幸である」と指摘しています。
苦労は、努力と混同されがちですが、本来負うべき必要のない負担を強いられることです。確かに「若い時の苦労は買ってでもせよ」と言われ、苦労することで人の痛みは分かるようになりますが、自分自身の消耗が積み重なってしまうものです。
それでも、苦労して幸せになれる人というのは、苦労に負けて気持ちを落ち込ませることなく、決して顔つきまで暗くならない人です。さらに、心や性格を捻じ曲げることなく、すべての物事の責任を他人のせいにしません。
その際たる見本が孔子で、それを表す言葉が『論語』の「天を怨まず、人を尤(とが)めず、下学(かがく)して上達す。我を知る者はそれ天か」です。天を怨むことなく、人を責めることなく、日々の小さな問題も見落とすことなく学んでおり、そんな自分を理解してくれるのは天だけだろうという意味です。
そして、冒頭の言葉に続いて浅田氏は、「苦労を積み重ねるのではなく、日々の幸福を積み重ねることこそが、真の人生経験なのである」とも述べています。孔子は決して恵まれた環境に生まれませんでしたが、それに不貞腐れることなく、必ず天は見ていてくれると信じ、ひたすら努力しました。そして、その姿勢は幸福そのものだったのでしょう。
孔子の姿勢を手本に、天を信じて励むことは決して苦労などではなく、まさに幸福を積み重ねることであり、必ず人生を豊かにしてくれるものと強く認識してください。
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