森羅万象から学ぶ人生羅針盤「すべての「左手」に感謝する」
2022.11.09
森羅万象から学ぶ人生羅針盤「すべての「左手」に感謝する」
会社経営においては、対外的には会社の実績はイコール経営者の実績として評価されていますが、言うまでもなく社員をはじめ多くの人の力があっての実績であり、その苦労に対して感謝を忘れては経営者として失格です。
そんな感謝の気持ちを、本田技研工業創業者・本田宗一郎氏は、「社員は『左手』である」と表現し、何よりも大事なものであるとしました。本田氏の左手の指の何本かは、右手が使うハンマーやカッターのために、時には爪が割れたり、指先が削れたりして、いつの間にか右手指よりも短くなっていたのです。
これを本田氏は、ハンマーを振るう右手を経営者に、左手を社員に例えて、「左手は右手の犠牲になってばかりいるが、その左手があるからこそ仕事が出来るのである。だから左手は宝物であり、右手は左手を庇(かば)い感謝しなければならない」としたのです。
その感謝の気持ちを象徴的に表したのが、以前ご案内した「油まみれの握手」です。本田氏は、社長引退後、全従業員にお礼を言いたいとして、全国の工場、販売店を回り、ある工場で整備士に握手を求めました。
しかし、手が油で汚れていたため、その整備士は手を引っ込め、「洗ってきます」と言ったのですが、本田氏は「いや、いいんだよ。その油まみれの手がいいんだ。 俺は油の匂いが大好きなんだよ」と、その整備士の手をしっかり握ったのです。まさに、社員に本気で感謝していた証拠なのです。
本田氏のように社員に感謝することは言うに及ばす、私の会社・躍進で提唱している「躍進5原則」にあるように、家族や仕入先・下請け先も、宝物の「左手」に他なりません。そんな自分を取り巻くすべての「左手」に感謝することを決して忘れないでください。
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