森羅万象から学ぶ人生羅針盤「常に部下を見続けている」
2022.12.19
森羅万象から学ぶ人生羅針盤「常に部下を見続けている」
禅語に『啐啄同時(そったくどうじ)』という言葉があります。例えばビジネスの現場において、部下が「壁」にぶつかって適切な助言が必要になった時に、ベストタイミングでアドバイスすることで、部下を成長させるという意味になるのです。
そもそも「啐(そつ)」とは、卵から孵ろうとする雛が、「そろそろ外に出たいなあ」と内側からコツコツとくちばしで叩いて親鳥に助けを求めているサインなのです。それに対して親鳥は、「啄(たく)」として外側から殻を突いてやり、無事孵化することを適切に援助するのです。
ここで重要なのが、「同時」という概念です。部下の自助努力が最高潮に達した時に援助することこそ、ベストな効果を生むからです。
しかし、自分に甘い部下がいて、努力すれば自分で解決できる問題であるにも拘わらず、いたずらに上司に助けを求めてばかりいて、それに安直に応えていては、いつまでたっても部下は一人前になりません。
またその逆に、部下の実力では完全に限界に達しているにも拘わらず、「この程度で甘ったれるんじゃない」などと、助けを求めているサインを無視すれば、部下は自滅しその役割に失敗する可能性もあり、ひいては上司の責任問題に発展するのです。
『啐啄同時(そったくどうじ)』の極意は、言うまでもなく常に部下を見続けていることです。そうすれば、部下の成長期も成熟期も低迷期も限界も、そのすべてがわかるはずです。
そして何かあれば、「啐」というサインを出してくれます。そのタイミングを逃さず、「啄」という適切なアドバイスをすれば、部下の自主性と成長が約束されることを肝に銘じておきましょう。
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