森羅万象から学ぶ人生羅針盤「言葉は思考の基本」
2023.01.20
森羅万象から学ぶ人生羅針盤「言葉は思考の基本」
最近では「敷居が高い」という言葉を、「分不相応」とか「格式が高すぎてとっつきにくい」みたいな意味で用いられますが、本当の意味は「不義理をして行きづらい」なのです。
例えば、年賀状も出さずお葬式のお悔やみにも一切行っていないにも拘わらず、借金や保証人になってほしいなどの頼み事をする相手の家こそ「敷居が高い」、つまり敷居が高すぎて、その家に跨(また)いで入れないという意味なのです。
同様に「役不足」という言葉も誤解されています。役には「仕事の難易度」という意味が含まれていますが、いつの間にか「自分の能力」という意味にすり替わり、「役不足=自分には到底成し得ない」という意味に誤用されるようになったのです。それならば「力不足」とか「荷が重い」が正しい日本語です。
小学校のころ、担任の先生に「問題文の意味自体が分からなければ、その問題を解くことなんて絶対できない。だからまず国語をしっかり勉強せよ」と言われたことを思い出します。
また、生物学や認知科学(脳科学)の専門家の話によると、偉人の多くには、外国語が苦手な人が意外に多くいるとのことです。なぜなら、母国語で形成された概念のほうが意識を集中させやすいからです。そして、その語彙(ごい)の持つ意味を最大限に深掘りして考え込み、最終的に物事の真理を看破するのです。
明治政府は、そんな言葉を思考の基本と理解していたからこそ、外国語を学ぶ際、会話よりも深く考え込むことができる読み書きに力を入れ、海外の難しい文献を解読し、その制度を取り入れて富国強兵を成し得たのでしょう。
言葉の意味を正しく理解しなければ、思考を積み上げていくだけでなく、誤解から他人とのコミュニケーションに支障を来たすものです。改めて、言葉は思考の基本であるだけでなく、正しいコミュニケーションの必須条件と心得てください。
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