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森羅万象から学ぶ人生羅針盤「目線を合わせて指導する」
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森羅万象から学ぶ人生羅針盤「目線を合わせて指導する」

2023.03.21

森羅万象から学ぶ人生羅針盤「目線を合わせて指導する」
 中国の古典『礼記』(らいき)には「人の子たるを知りて、然(しか)る後に以って人の父たるべし。人の臣(しん)たるを知りて、然る後に以って人の君(きみ)たるべし。人に事(つか)うるを知りて、然る後に能(よ)く人を使う」という一節があります。

 分かりやすく言えば、子供のころ一生懸命に努力してこそ、立派な親になれます。上司に一生懸命に仕え、しっかり任務を果たし成果をあげてこそ、自分が上司や経営者になった時に部下の気持ちを理解でき、言葉に説得力が生まれ、上手く指示命令に従わせることできるという意味なのです

 しかし実際には、多くの人は、自分が思っているほど努力も苦労もしていないものです。それにも拘らず、子供や部下に偉そうなことを言っても説得力はありません。

 そうならないようにするには、常に目線を合わせて指導するように心がけることです。目線を合わせるとは、心の中で相手と同い年になることです。そうすれば、自分が相手の年齢だった時を思い出し「親や上司の指導も7割は守ったけど3割は従っていないな」などと気付くものです。

 そして、自分にできた7割の部分をまず徹底的に指導します。自分にできたことだから指示命令に説得力が生まれるのです。そして、できなかった3割の部分は、本人の自覚に任せて、それを促し成長を待つしかないでしょう。

よく知られたことわざに「子を持って知る親の恩」がありますが、これは「子を持って知る教育の難しさ」の裏返しでもあり、「部下を持って知る指導の難しさ」でもあります。これを踏まえ、どんな時でも目線を合わせて指導することを忘れないでください。

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