森羅万象から学ぶ人生羅針盤『本物の「誠実意の人」になる』
2023.03.26
森羅万象から学ぶ人生羅針盤『本物の「誠実意の人」になる』
よく聞く言葉に「お為ごかしの言い手はあれど誠実意(まことじつい)の人はなし」があります。「お為ごかし」とは、「あなたのためを思って言っている」という言葉の裏に、実際は自分の利益を優先していることを表しているのです。
例えばドラマなどで、直言居士の若い社員が、会議の席上で部長に対し正論を述べ論破したとします。それに対して課長がその社員を呼び出し「あんなことを言えばお前の出世に響く。お前のためを思ってアドバイスしているんだ」などというシーンを見かけることがあると思います。
しかし、この本音は、部下をうまくコントロールできない自分の人事考課のマイナス評価を恐れた課長の懐柔策であり、結局自分のためなのです。
さらに、「ごかし」はこかす、つまり倒すであり、下手をすると騙されて損をさせられることもあります。ビジネスにおいては、こういう局面に接することが多いため、「誠実意の人はなし」ばかりになってしまうのでしょう。
もちろん、中には本当に「誠実意の人」がいて、相手への愛情を心底から示して諫言してくれる人もいます。もし「あなたのため」と言われたら、それに従うとこの人にどんなメリットが生じるのかを考えれば、真偽は一目瞭然です。
そして、自分がそうすることによって、この人が逆に悪者になって損をする可能性があるとすれば、それは本物の「誠実意の人」です。そんな人に出会うことは幸せ以外の何物でもなく、さらに自分自身も本物の「誠実意の人」になるべきであることを強く認識してください。
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