森羅万象から学ぶ人生羅針盤「迷いがあるから努力する」
2023.04.09
森羅万象から学ぶ人生羅針盤「迷いがあるから努力する」
以前、ドイツの文豪ゲーテの著作『ファウスト』のなかにある「人間は努力をする限り迷うものだ」という言葉をご案内しました。努力すればするほど試行錯誤を繰り返すもので、そんな迷いがあってこそ努力が身になるからです。
そんな迷いの果てにある答えは悟りでしょう。しかしそれを「最良の結論を得た」という意味で捉えるのであれば、それはあくまでも一時的なものに過ぎないことを認識すべきです。
そして、その最たる例は健康法でしょう。例えばここ何年も糖質制限による健康法の実効性が評価され、それを実践している人は多くいます。しかし、糖質制限に対して「脳の活性化に影響が出る」「糖質の代替エネルギーとなるケトン体は、体から異臭を放つ」など、糖質制限に異を唱える医師も少なからずいます。
そんな人の言葉を耳にして、「ひょっとしたら糖質制限は間違いかもしれない」「糖質制限しなくても大きな問題はない」などと、せっかく得た悟りを放棄し、元の生活習慣に戻ってしまう人もたくさんいます。つまり迷いが悟りを消し去ったのです。
しかし、人間にとって悟りよりも迷いの方が必要なのは、迷いから試行錯誤が生まれ、別な形で努力するきっかけとなるからです。
仏教の世界では、真の悟りを得たのは、釈迦如来をはじめとする如来様だけであり、観音様をはじめとする菩薩や不動様などの明王は、最終ステージである如来を目指して修業中の身であり、実は悟りを得ていないはずです。
観音菩薩も不動明王も修行中ならば、我々凡人などなおさらです。迷いがあるから努力するのだと認識し、むしろ迷いの方が必要なのかもしれません。そして、試行錯誤を繰り返し、正解を追求していく努力そのものが大事であることを忘れないでください。
社長ブログ新着記事
-
森羅万象から学ぶ人生羅針盤「言葉を失うような出来栄え」
-
森羅万象から学ぶ人生羅針盤「成功してこそ決断」
-
森羅万象から学ぶ人生羅針盤「やましい心根の人とは距離を置く」
-
森羅万象から学ぶ人生羅針盤「人間としての真の値打ち」
-
森羅万象から学ぶ人生羅針盤「夢は前だけにある」