森羅万象から学ぶ人生羅針盤「適切な信賞必罰とは」
2023.05.05
森羅万象から学ぶ人生羅針盤「適切な信賞必罰とは」
松下電器産業(現パナソニック)創業者・松下幸之助氏は、「信賞必罰が適切にできてこそ指導者である」と指摘しています。正しく褒めて正しく罰するという極めて公平かつ厳正な評価を実施することが指導者の条件としているのです。
まず「信賞」に関連して、以前中国最古の歴史書『書経』にある「功ある者には禄を与えよ、徳ある者には地位を与えよ」という言葉をご案内しました。実績のある者には報酬を与え、人格の優れた者には地位を与えるという意味です。
例えば、人の何倍も仕事をしていても、思いあがっている人物を重用すると、必ずおごり高ぶり、周囲のモチベーションを下げるという悪影響を与えるものです。やはり人格者に地位を与えないと組織は成り立たず、こうした人事考課こそが真の信賞なのです。
これに対して「必罰」は、会社において絶対にやってはいけないこと、これをやれば絶対に許してくれないことを見逃さないことです。躍進に置いては、「規定業務手順書」(以下、規定業務とする)違反だけは必罰の最たるものです。「規定業務」はいわば躍進の憲法であり、これに違反したものを厳しく罰することで、社内の空気はビシッと締まり、より高い意識へのステップアップになるのです。
適切な信賞必罰とは、公平・平等を旨としなければ意味がありません。自分に近しい人間に対して、特別な報奨を与えたり、逆に罰を軽くしたりすれば、公平・平等の精神が確保されず周囲の反発を呼ぶでしょう。
そしてそれは、「こんな人にはついて行けない」「自分の人生を利用されたくない」と考える離反者が続出するもので、そんな離反者に限って優秀な人物であり、決して失ってはいけない人を失う結果になることを忘れないでください。
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