森羅万象から学ぶ人生羅針盤「詐欺師が現れてこそ有効」

2023.05.07

森羅万象から学ぶ人生羅針盤「詐欺師が現れてこそ有効」
　日産コンツェルンの創始者である鮎川義介氏は、「事業開始の機に乗じて詐欺師が現れることは、その事業が本物だという証明になる」という面白いことを述べています。

　誰も関心を示さなかったことに気付いて、密かに事業化の準備を進め、いざスタートして順調な滑り出しをした時には、まるで砂糖に群がる蟻のように、色々な人が会いたがり、提案を持ってくるものです。

　しかしそのほとんどは、いわゆる眉唾物の「うまい話」で、傾聴に値するものは少ないのです。金蔓（かねづる）にしてやろうと甘言を弄して、利益を奪い取ろうという詐欺師、もしくは詐欺師まがいの人物が持ち込む提案だからです。

　反面それは、新事業が魅力的であるという証明でもあります。儲かることを認識しているからこそ、利益を掠（かす）め取るために策を弄するわけです。

　ある方の体験によれば、詐欺師は共通した「ゴールデン3点セット」を用いるそうです。それは、あり得ないくらい高い値段のお酒と、この世のものとは思えないほど美味しい料理、さらに映画で主役を演じることができるレベルの美男美女が接待に応じ、「捕らぬ狸の皮算用」を聞かせるそうです。

　もちろん、詐欺師など絶対に相手にしてはいけませんが、「自分の事業は有効なんだ。将来性があるんだ」というバロメーターになることは間違いないでしょう。そして、くれぐれも「ゴールデン3点セット」にだけは引っかからないよう肝に銘じてください。