森羅万象から学ぶ人生羅針盤「無駄な動きを省く基本」
2023.06.06
森羅万象から学ぶ人生羅針盤「無駄な動きを省く基本」
中国の歴史書『漢書(かんじょ)』にある「百聞は一見に如かず」は誰もが知っている非常に有名な言葉です。意味は、百回説明を聞くよりも、むしろ実物を自分の目で一度だけでも確認した方が確かな判断ができるという意味です。
これに関連して、前回もご案内した俳優の石原良純氏が若いころマネージャーを務めてくれた三原栄子氏は、テレビ局などへの挨拶回りに必ず石原氏を同行させたといいます。理由は言うまでもなく、石原氏という実物を担当プロデューサーに見てもらい、「百聞は一見に如かず」を実践し適切な判断をしてもらうためです。
意外に知られていないことですが、芸能界では一般的にマネージャーだけでテレビ局や広告代理店などに挨拶回りをして、宣伝材料(写真やプロフィール表など)を渡し、担当している芸能人を売り込むのが普通なのです。
しかし三原氏は、プロデューサーが「後で実際に石原氏に会ったら作品のイメージと合わないのでお断りする」という無駄な動きを省くため、最初から石原氏をプロデューサーに「面接」させ仕事を取ってきたのです。
私も過去に、こうした無駄な動きによく遭いました。「こういう面白い人がいる。絶対に会う価値がある」と紹介されるのですが、後ほど実際に会ってみると大抵はごく普通の人です。ひどいケースでは、売れないガラクタを言葉巧みに売りつけようという人もいました。
人を紹介したいのなら、必ず最初から同行させましょう。商品のサンプルなら持参できるのですから、紹介したい人がいるなら連れて来られるはずです。そこで会えば大抵のことは分かります。まさに「百聞は一見に如かず」は無駄な動きを省く基本であることを忘れないでください。
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