森羅万象から学ぶ人生羅針盤「宝の持ち腐れにしない」
2023.07.24
森羅万象から学ぶ人生羅針盤「宝の持ち腐れにしない」
日本ではイソップの名前で親しまれている古代ギリシアの寓話作家アイソーポスの言葉に、「使わない宝は無いも同然」があります。例えば高級な食器も、もったいなくて一切使わずにしまっておくのであれば無いのと同じでしょう。
これによく似た言葉に「宝の持ち腐れ」があります。有用な物を所有していながら使わずに放っておいたり、人よりも抜きん出た才能や技術・技能があるにも拘らず、一切活用しなかったり、十分に活用できていなかったりする状態です。
これを物と能力の2つに分けて考えてみたいと思います。まず物ですが、例えば楽器などは、音楽そのものに関心がなければ、仮に名器を所有していても、「売れば高い値がつくだろうなあ」としか思わないでしょう。ならば、その真の価値を認識できる第三者に譲渡して活かしてもらった方が楽器も幸せです。
問題があるのは、能力のほうの「宝の持ち腐れ」です。これは本人の好き嫌いもあるでしょうが、ビジネスシーンにおいては、往々にして自分自身がその「宝」に気付いていないことが多いのです。
例えば、コミュニケーション能力に優れ、相手の気持ちを一瞬で察知して、最適な提案ができる人などは営業マンの鑑となれるでしょう。しかし、そんな能力があるにも拘らず、人一倍不器用なくせに、下手の横好きで、ものづくりにしか興味がない人であれば、実にもったいないと思います。
ここで、以前より何回もご案内している物理学者の寺田寅彦氏の言葉である「興味があるからやるというよりは、やるから興味ができる場合がどうも多いようである」を思い出してください。
これを踏まえ、指導者は何事においてもとりあえず実践させ興味を持たせ、達成感を喜びに変え、決して「宝の持ち腐れ」にすることなく、有効に導くことを最重要課題と心得ましょう。
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