森羅万象から学ぶ人生羅針盤「本当のご意見番とは」
2023.08.01
森羅万象から学ぶ人生羅針盤「本当のご意見番とは」
各分野、組織には、いわゆるご意見番と呼ばれる人物がいます。その分野に造詣が深く、豊富で幅広い見識ならびに経験を持ち、常に忌憚なく自分の意見を述べるような人物を指します。特に重要な資質は、地位が自分より高かろうが低かろうが一切関係なく、評価すべきは評価し批判すべき部分はきちんと批判する部分です(実用日本語表現辞典より抜粋・要約)。
歴史上、ご意見番の代表と言えば、私の故郷・茨城県水戸市のシンボルである「天下の副将軍」、水戸藩第2代藩主・水戸光圀公でしょう。「犬公方」と揶揄された5代将軍徳川綱吉に対して『生類憐みの令』の不備を指摘し諫めたことは誰もが知っている歴史上の事実です。
近年の歴史研究では、一般に知られている『生類憐みの令』の目的や役割は違うようで、綱吉も実際は愚かな将軍ではなかったようですが、それでも現職将軍に堂々と意見できる光圀公は相当な実力のあるご意見番なのです。
また、江戸時代初期の旗本・大久保彦左衛門もご意見番として有名です。徳川家康に仕え、功績があったにも拘らず、大名になることなく御意見番として家康に意見していたといいます。つまり、諮問機関としての役職でもあったのです。
しかし現在では、ちょっとうるさ型のベテランタレントや引退したアスリートにご意見番という肩書が付与されていますが、彼らは放送作家が書いた原稿を読まされご意見番を演じているに過ぎず、本当のご意見番ではありません。
もし自分自身が、本当のご意見番として意見しようと思ったら、相手の地位や立場、意見する内容の厳しさに関係なく怖気づかずに物申すことです。心ある指導者はそういう意見にも素直に耳を傾けてくれるものです。勇気をもって本当のご意見番になりましょう。
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