森羅万象から学ぶ人生羅針「表面だけで人を評価しない」
2023.08.15
森羅万象から学ぶ人生羅針「表面だけで人を評価しない」
以前、「根明(ねあか)」な人は、表面上は何事にも暗くドライに対応しても、本質的な内面、つまり根は思いやりのある明るい人で、逆に上辺は明るく振る舞っていても内面がネガティブだと、「根暗(ねくら)」な人物として人から敬遠されることをご案内しました。
ここで思い出されるのは、交響曲の父と評された作曲家フランツ・ヨーゼフ・ハイドンです。学校の音楽室にはバッハやモーツァルト、ベートーヴェンらと並んでその肖像画が飾られていましたが、偉大な作曲家であるにも拘らず、意外にポピュラーな曲として知られている作品が少ないのです。
このハイドンについて、マスコミでも著名なバイオリニストが、「嫌いな作曲家」として名を挙げ、その理由は「曲調が暗いから」というものでした。そして、その性格も暗いと勝手に決めつけていたのです。
これに対して、毎年ノーベル文学賞の受賞候補に名が挙がる著名な作家は、その作品の中でハイドンのフレンドリーな性格を評価しています。ハイドンも含め、作曲家が白い巻き毛のカツラをつけていた時代は、音楽家は王様や貴族の注文を受けて作曲する「下請けの職人」であり、カツラは訪問する際の正装で、当然ながら勝手口からしか出入りは許されません。
しかしハイドンは、クライアントの王様や貴族の家で働く下働きの人たちと仲良く、いつも昼食のご相伴にあずかり、みんなといっしょに食事をすることを非常に楽しみにしていた明るい性格の持ち主だったといいます。
確かにハイドンの曲は暗い印象がありますが、その人間性は社交的で、根は明るい人物だったような気がするのです。やはり人の評価というものは、表面だけを捉えて全体を決めつけるものではないということを改めて認識してください。
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