森羅万象から学ぶ人生羅針「目を閉じて言葉を聞く」
2023.08.16
森羅万象から学ぶ人生羅針「目を閉じて言葉を聞く」
『史記』の著者として知られる中国前漢時代の歴史家・司馬遷の言葉に「貌言(ぼうげん)は華なり。至言は実なり。苦言は薬なり。甘言は疾(やまい)なり」があります。言葉が自分に及ぼす効果を大まかに4つに分類し、十分に注意を促しているのです。
貌言は、優しい表情で発せられる思いやりのある言葉という意味で、言葉の持つ意味が、文字通り何倍にも華やかに伝わるという意味です。
至言は、物事の真理や本質をズバリ言い当てた言葉であり、まさに有用で実用性に溢れた内容であることを示しています。
苦言は、聞くものの耳が痛くなる小言のようなものですが、「良薬は口に苦し」とまったく同じで、荒療治ながらも自分の間違いを正してくれるありがたい言葉です。
甘言は、言うなれば甘やかしで、楽なものばかりを示すため、その誘導が上手ければどんどんと悪い深みにはまって、病みつきになってしまうような罠が潜んでいます。
しかし、この中で特に注意しなければならないのは、意外にも最初の貌言です。なぜなら、もしその言葉を発する者に悪意や悪い思惑があれば、簡単に操られてしまうからです。
至言や苦言は、誰が聞いてもその良さを納得してしまうし、甘言は罠が丸出しであるため、比較的早めにその罠に気付くことができます。
しかし、貌言だけは、それを口にする人が妙齢の美人であったり、誰もが認めるイケメンであったりすると、まるで催眠術にでもかかったかのように、その言葉に動かされてしまうのです。
大事な言葉を聞くときは、できるだけ目を閉じて耳を澄ませましょう。そうすれば、その内容だけを冷静に取り入れることができると信じてください。
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