森羅万象から学ぶ人生羅針「横這いは考える期間」
2023.10.21
森羅万象から学ぶ人生羅針「横這いは考える期間」
江崎グリコの創業者江崎利一氏の言葉に「蟹のように横を這ってでも前進しろ」があります。これは、横にしか移動できない蟹の習性を知っていれば、少しおかしな日本語に聞こえますが、読点(、)を打つとその真意が分かります。
正確には「蟹のように横を這ってでも、前進しろ」となるのでしょう。もっと分かりやすく言えば「蟹のように横に這うしかできなくても、少しずつならば気付かないうちに前進しているので、横に這うという回り道をたくさんして、出来るだけ多くの失敗や学びを経て、少しずつ前に進め」とでもなるのでしょう。
横を這うというのは、そう簡単には前に行けないという戒めでもあるのです。現に江崎氏は、漁師が捨てている牡蠣の煮汁を買い受け、2年の歳月を経てそこからグリコーゲンを抽出し、「栄養菓子」という概念を生み出して、「グリコ」として商品化し縮小するキャラメル市場に打って出たのです。
それだけではありません。「栄養菓子」を象徴するような「1粒300メートル」のキャッチコピーをつけたり、1927年(昭和2年)には、おまけ付きグリコ発売し日本最初の食玩を開発したりと、まさに「蟹の横這い」で得た知恵から今日も色褪せないアイデアを生み出したのです。
ここ数年続いたコロナ禍で、飲食業、観光業、エンタテイメント業のみなさんは、ずっと「蟹の横這い」を強いられてきました。しかしみなさんは、リモートやテイクアウト、SNSの活用などを当たり前のように実施・活用し、確実に前進しています。
まさに江崎氏が指摘した、横を這ってでも前進できることを証明したのです。この実証実験の結果は、横這いは考える期間として有効に活用してきた人が生き残ったという証明でもあることを強く認識してください。
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