森羅万象から学ぶ人生羅針「譲歩することの本質を理解する」
2023.11.04
森羅万象から学ぶ人生羅針「譲歩することの本質を理解する」
どのようなビジネスでも、相性が悪いパートナーと組まざるを得ない場面に遭遇します。特に建築業の場合、外部の建築士を招聘することがありますが、自己主張の強い建築士であると施工者との摩擦を生む場合が往々にしてあります。
こうした不協和音を調整する役目が、企業トップであり直属の上司なのです。その極意は、町奉行・大岡越前守(えちぜんのかみ)こと大岡忠相(ただすけ)の逸話として有名な「三方一両損」にみられます。
この逸話は、3両の金が入った財布を持ち主に届けた大工が、財布を落とした相手が同じ大工で江戸っ子気質であるため「俺の懐から逃げ出した銭なんざ受け取れねえ」と意地を張り、遂にはお白州で評定を受けることになったのです。
そこで、越前守は自分の財布から1両取り出し、合計4両として、それぞれ2両ずつを拾ったもの、落としたものに分けたのです。「せっかく3両拾ったのに2両になり1両損した」「元々3両の持ち金が2両になり1両損した」「自分(越前守)はこのことに無関係なのに1両損した」として、「三方一両損」として丸く収めたのです。
これは、それぞれが譲り合い、最高の落としどころを見つけることが大事であることを分かりやすく説明したものです。そして、その役割を担うのが前述の通り企業トップであり直属の上司なのです。
前述の「三方一両損」はあくまで例えですが、それぞれ適切に譲歩することの本質を理解し、その極意を身につけることが人の上に立つ者にとって必要不可欠な義務であることを決して忘れないでください。
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