2023.12.01
森羅万象から学ぶ人生羅針盤「成功に要する時間を共有する」
『法の精神』などの著書で知られるフランスの哲学者シャルル・ド・モンテスキューの言葉に、「ほとんどの場合、成功するか成功しないかは、成功に要する時間を知っているか否かに等しい」があります。
日本でも、「棹(さお)は三年、櫓(ろ)は三月(みつき)」という言葉があり、ただ単純に漕ぐだけの櫓に比べて、方向を定めたり舟を安定させたりする棹の操作のほうが難易度は格段に高く、一人前の船頭になるには時間がかかることを示しているのです。
特に芸術や伝統工芸、古典芸能の世界では、そう易々と一人前になることは出来ません。「40、50(歳)はハナタレ小僧」などと言われ、上辺の技術的な部分ではなく、内面からにじみ出る味を醸し出すには、相当の年月を要するのです。
ビジネスの場合、部下や後輩に一人前になってほしいと思ったら、それぞれのジャンルにおける成功に必要な期間を把握し、それまでは投資と思って静かに見守り、その都度適切に教育しなければなりません。
思えば昭和のころの大企業は、新卒者を大量に採用して、世の中のことなど何も分からない半人前のままで営業マンとして現場に出し、失敗しても叱責するばかりでした。それでも自分で努力しがんばった人だけが生き残ったのです。
しかしこれは非効率で、無駄な投資であると気付いた企業が徐々に現れるようになりました。私が代表取締役会長を務める躍進でも、新卒者や未経験者を積極的に採用しますが、冒頭の成功に要する時間を正確に割り出し、OJTは言うに及ばず、座学を含め適切な教育をもって効率よく成長させています。
企業トップも部下も、成功に要する時間を共有することで、より早く確実に成功への道を駆け上がることができると強く認識してください。
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