森羅万象から学ぶ人生羅針盤「神様の存在は見解の相違」
2024.07.11
森羅万象から学ぶ人生羅針盤「神様の存在は見解の相違」
イギリスの歴史家トーマス・カーライルは、「神の有無は、20年考えても2000年考えても、信じることはできるが説明することはできない」と述べていますが、これについてはちょっと異論があります。十分に説明がつくからです。
以前、オランダの哲学者スピノザに代表される「汎神論(はんしんろん)」をご案内しました。「汎神論」とは、神を擬人化した人格神を認めず一切すべてを神と同一視する考えです(ウィキペディア〈Wikipedia〉より抜粋・要約)。
これについては、20世紀最高の物理学者とされたアルベルト・アインシュタインも同様のことを述べています。「なぜ地球には引力があるのか」「なぜ太陽の周りを回っているのか」など、一体何の力がそうさせているのでしょうか。つまり、そうした自然法則が神様の正体であるとアインシュタインは言っているのです。
一方、ヨーロッパのことわざに「天は自ら助くる者を助く」があります。つまり、「神は自分の心の中にある」というものですが、潜在能力を神様に見立て、努力によってその能力を発現させるのです。
ロシアの文豪・トルストイも、人生の糧となる教えを身につけ実践することが真の信仰であると述べています。これは無神論者にも通じる考えであり、神様の有無に関係なく、結果として引き出された潜在能力を認めることには変わりありません。
そして最後に、超自然的存在の、人間と同じ姿をした神様は存在するという人もいます。しかし、残念ながら神様は「困った時に絶対に助けに来るから」とは約束していません。だから「試練を与えている」という言い方にすり替わっているのです。
このように、神様の存在については見解の相違があり、共通の答えが出せないだけで説明は十分にできます。大事なのは、それぞれの神様を信じ自分にとっての重要な糧にすることです。
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