森羅万象から学ぶ人生羅針盤「真の友人とは何かを整理する」

2024.09.26

森羅万象から学ぶ人生羅針盤「真の友人とは何かを整理する」
　アメリカの思想家エマーソンの言葉に、「美徳の唯一の報酬は美徳であり、友人を得る第一の方法は、自らが友人になることである」があります。

そもそも美徳自体が価値あるものであるため、それに対して報酬を求めるということ自体が間違っています。しかし、「自ら友人になる」は注意が必要です。なぜなら自分の主張を強引に通す時、この手法を使う人がいるからです。

　例えば、初対面のときからあまりにも図々しい態度で接してくるため、「あなたは友人ではないので、これ以上変な要求をしないでほしい」と言うと、「ならばこれから友人になれば良いじゃないですか」と、臆面もなく詭弁を弄（ろう）するのです。

　友人とはあくまで対等な関係であることが第一条件です。そこにはビジネスは言うに及ばず、私的なお金の貸し借りなどは介在しない人間関係です。相手の人間性を認め、その魅力に惹かれてはじめて友人になるのです。冒頭の「自らが友人になる」は、そうした友情を相手よりも先に積極的にアピールすることなのです。

　そして基本的に、友人とはいっしょにビジネスはできません。例えば友人相手に「こんな営業成績で今月の数字が達成できるのかよ！」と怒鳴り合いをしたくないからです。しかしビジネスパートナーとであれば怒鳴り合いができます。

　友人を得る第一の方法は、自らが友人になることには間違いありません。しかしその前に、真の友人とは何かをきちんと整理しておかなければならないことを肝に銘じてください。