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森羅万象から学ぶ人生羅針「価値があるからこそ残っている」
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森羅万象から学ぶ人生羅針「価値があるからこそ残っている」

2025.01.20

森羅万象から学ぶ人生羅針「価値があるからこそ残っている」
ドイツの哲学者ニーチェは、「古いもの、旧知のもの、誰もがこれまで見てきたもの、あるいは見過ごしてきたものを、新しいものであるかのように見ることが、本当に独創的な頭脳を特徴づける所以(ゆえん)である」と述べています。

 これには3つの意味があると思います。1つは見る角度を変えることです。そうすると今までとはまるで違うものに見え、それがヒントとなってまったく新しいものを生み出す原動力になるということです。

 家電が進化し続けてきた理由などはまさにその典型例です。使う人の視点を持った主婦の方々の「こうしたほうが使いやすい」という提案が、作る側のメーカーの独創性を刺激して、より便利な家電が誕生してきたのです。

2つ目ですが、小説や映画を新鮮な目線で再度見つめると、初めに見た時には気付かなかったことのオンパレードとなり、まったく別な作品に見えることです。小説ファンは、「読むたびに毎回新しい発見がある」と異口同音に言います。

 そして3つ目ですが、やはり温故知新です。故(ふる)きを温(たず)ねて新しきを知るとは、古典などに様々な知恵が詰まっており、それを引き出して現代のものに相応しい形に整えるのです。

 ニーチェはまた「何か新しいものを見ることが独創的ではない」とも言っていますが、それは初めて見たものは必要以上に新鮮に見えてしまうという錯覚が生じることを指摘しているのです。

 今日まで残っている古いもの、旧知のもの、誰もがこれまで見てきたものなどは、価値があるからこそ残っているのです。そのことを忘れず、真に独創的な発想を心がけましょう。

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