森羅万象から学ぶ人生羅針盤「凡人に相応しい努力を重ねる」

2025.04.22

森羅万象から学ぶ人生羅針盤「凡人に相応しい努力を重ねる」
　シュールレアリスムを代表する1人でもあるスペインの画家サルバドール・ダリは、「僕はドラッグなどやらない。僕自身がドラッグなんだ」というユニークな発言をしています。

　これには2つの意味があると思います。1つ目は言うまでもなく、その作品に表されているような前衛で摩訶不思議なセンスは、まるでドラッグの力を借りないとできないような奇天烈（きてれつ）な発想そのものだからです。

　2つ目は、脳内で快楽物質であるドーパミンを人一倍溢れさせているという意味です。これは個人差がありますが、多量に分泌すればドラッグ常習者と同じ状態になります。しかし当たり前の話ですが、まったく違法性はありません。

　このように、天才と呼ばれる人は、その活動が楽しければ楽しいほど、脳内でドーパミンという“ドラッグ”を作り出しているのです。まさに「僕自身がドラッグなんだ」と言う所以です。

　天才の特徴には様々なものがありますが、常人には思いもつかない発想力が最大の特徴であることは言うまでもありません。

しかし悲しいかな、この「常人には思いもつかない発想力」を外部から得ようとして、不心得なアーティストをはじめ、一部の人が違法ドラッグに手を染めてしまうのです。

　さらに、ドラッグに頼らないからといって、「俺、酒を飲んでいる時のほうが頭が冴え、いいアイデアが浮かぶんだよ」という人はある意味もっと危険です。飲酒はTPOさえ守れば違法ではないから、いくらでも飲めてしまうという落とし穴にはまり、結局健康を害し、最悪の場合死に至らしめるからです。

　深酒は健康だけでなく人間関係などにも大きく影響を与え、失うものが多すぎます。天才は脳内でドラッグを作れますが、自分を凡人と理解しているのなら、凡人に相応しい努力を重ね成果を勝ち取ってください。