森羅万象から学ぶ人生羅針盤「他の職業を羨む意味などない」
2025.09.26
森羅万象から学ぶ人生羅針盤「他の職業を羨む意味などない」
作家の久米正雄氏は、「それぞれの人々が他の職業を羨(うらや)んでいる」と述べていますが、その傾向は確かにあります。まさに「隣の芝生は青く見える」わけです。
他の職業を羨む最大の理由は、その華やかな部分しか目に入らないからです。その裏にある血のにじむような努力を見ていたら、そんな甘い気持ちにはなれないでしょう。
羨ましがられる職業の代表が芸能人です。人気アイドルやお笑い芸人が拍手喝采される姿を見るたびに、自分もああなりたいと思うのは人情です。しかし、希望してもなれるのは一握りだし、そのなかで人気者として生き残れるのはほんの一つまみだけなのです。
それにアイドルもお笑い芸人も、素人よりも歌がうまく面白くなければダメなのは当たり前です。そのうえ本人が好むと好まざるに拘らず、予定された日時に、一定以上のクオリティを確保した歌や芸を披露しなければなりません。
またいつまでも同じ歌やネタをやっていたら飽きられるので、常に新曲、新ネタの準備をしていなければならないのです。それでもその新曲、新ネタがお客様に受け入れられるとは限らず、落ち目になれば芸能界から消え去るだけです。
身近な例では、料理好きが高じてコックさんになった人たちも同様です。往々にしてお客様の注文が自分の作業能力のキャパシティを上回るものです。
そのため、アマチュア時代は好きな時に好きな料理を作っていたのに、強制されて大量の料理を、自分のペースに関係なく高速で作ることを要求されるため、いつの間にか料理嫌いになって辞めていく人も少なくないのです。
つまり、皆同じ苦労を背負っています。それに自分の職業を、意外にも赤の他人が羨ましく思ってくれているものです。みんな陰で苦労しています。他の職業を羨む意味などないことを強く認識してください。
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