森羅万象から学ぶ人生羅針盤「ギャンブルは百害あって一利なし」

2025.12.17

森羅万象から学ぶ人生羅針盤「ギャンブルは百害あって一利なし」
　よく麻雀は運否天賦（うんぷてんぷ）まで計算に入れて勝負に臨むから、不確定要素が多い経営の現場では、麻雀で学んだ勘所（かんどころ）が大いに役に立つという人がいます。しかしそれは、ギャンブル好きの言い訳、詭弁と断言してよいでしょう。

　現にギャンブルで大金持ちになった人を私は知りません。その代わり、自虐的な“負け自慢”を面白おかしく聞かされることはよくあります。

　本来財産というものは、小さな仕事でもコツコツと積み上げながら築いていくものです。まさに学問と同じで、一段一段の階段をのぼりながら、へとへとになってようやくつかみ取るもので、近道はないのです。

　私は競馬場や雀荘に行ったことがありません。あの独特の空気感が嫌なのです。人の目つきはすさんでおり、勝てばもっと勝ちたくなるし、負ければそれを取り返したくなるという、人間の欲望が作り出す空気感は、心までダメにしてしまう感じがします。

　金運というものは不思議なもので、こういうお金の稼ぎ方をする人にはつかないものです。そして同時に、無駄なく質素に計画的にお金を使う人ほど金運に恵まれ、気付いてみたら、一財産できていたなんでことはよくあるのです。

　ギャンブルで得たお金は悪銭です。そして「悪銭身に付かず」と、あっという間に消えてなくなるものです。その穴埋めをギャンブルでするため、負のスパイラルから抜け出せなくなるのです。つまりギャンブルで学んだ勘所などは百害あって一利なしと強く認識してください。