森羅万象から学ぶ人生羅針盤「真の皇室外交が発揮される時」
2026.04.27
森羅万象から学ぶ人生羅針盤
「真の皇室外交が発揮される時」
南海トラフ巨大地震への備えについて、私たちは本質的な恐ろしさを十分に理解しているとは言い難いのではないでしょうか。
津波は単なる「水」ではありません。
それは一瞬にして人の営みを飲み込み、命を奪う、圧倒的な自然の力そのものです。
わずか数十センチでも人は立っていられず、1メートルにもなれば逃げることすら困難になる。さらにそこに流木や車両、家屋の破片が加わることで、その破壊力は想像を超えるものとなります。
私はこれまで、二度にわたり生死の境をさまよう経験をしてきました。
2012年の脳内出血、そして2015年の大手術——。
その体験を通して痛感したのは、「人の命は決して自分の思い通りにはならない」という厳然たる事実でした。
同時に、「だからこそ、与えられた命には意味がある」という確信でもありました。
南海トラフ巨大地震が現実となれば、それは国家の存立を揺るがす未曾有の試練となるでしょう。
多くの命が危機にさらされ、社会の基盤が大きく揺らぐ。
しかし私は、そのような極限の時にこそ、その国の「真の力」が問われるのだと考えています。
ある友人がこう語りました。
「この国難を静かに支えてくださるのは、天皇皇后両陛下のお存在ではないか」と。
私はその言葉に深く頷かずにはいられませんでした。
両陛下は、決して前に出て国を導く存在ではありません。
しかし、そのお姿は常に国民に寄り添い、苦しみの中にある人々の心を照らし続けてこられました。
そしてその誠実なお心とご人格は、長い年月をかけて世界各国からの信頼へと結実しています。
とりわけ皇后陛下の国際感覚と深い教養、そして人の痛みに寄り添うお心は、国境を越えて多くの人々の共感を呼んでいます。
私は思うのです。
真の外交とは、力や駆け引きではなく、「人としての在り方」そのものから生まれるのではないかと。
国が困難に直面したとき、世界が日本に手を差し伸べるとすれば、それは利害を超えた「信頼」と「敬意」によるものでしょう。
その静かな信頼の中心に、両陛下のご存在がある。
それこそが、私のいう「真の皇室外交」なのです。
私は、二度の死の淵から生かされた人間として強く思います。
人はいつか必ず死を迎える。
しかし、その限りある命を「何のために使うのか」によって、その人生の価値は決まる。
国家もまた同じではないでしょうか。
どれほどの困難に直面しても、その国が何を大切にしてきたかが、最後にその国を支える力となる。
日本という国は、長い歴史の中で「思いやり」「調和」「祈り」を大切にしてきました。
そしてその象徴が、天皇皇后両陛下であらせられるのだと思います。
だからこそ私は、この国に生まれ、この時代を生きていることに、深い意味を感じずにはいられません。
与えられた命をどう生きるのか。
国難の時に、何を支えに立ち上がるのか。
その問いに対する一つの答えが、ここにあるように思うのです。
両陛下を国の象徴として戴くこの日本に生きることに、
一人の日本人として、静かな誇りと尽きることのない感謝を捧げたいと思います。





