森羅万象から学ぶ羅針盤「肝心なのは実行力」
2020.10.19
森羅万象から学ぶ羅針盤「肝心なのは実行力」
「訥言敏行(とつげんびんこう)」という四字熟語があります。
これは『論語』の「君子は言に訥(とつ)にして、行ないに敏(びん)ならんことを欲す」に由来するものです。
立派な人は、多少口下手でも、迅速に行動するものであるという意味ですが、能弁な人ほど、往々にして、実行力が伴わないようです。
それに、知識や知恵を身につけるほど、言葉が多くなるのであれば、それは真の意味での知性が身についていないのと同じなのです。
鋭敏な知性には、言葉は少ないものです。
もちろん、人を評価する場合、その人の発言をきっかけにすることがあります。
しかし、それだけでは決め手になりません。
やはり、実行力があってこそ、真の評価につながるものです。
発言は、訥弁でもいいから、実行力のある人間になることが望ましいのです。
反面、潤滑油としての能弁は、ある意味、有効かもしれません。
特に、女性が口にするお世辞は、相手の内懐に入るきっかけとして有効です。
「そのネクタイ、なかなかおしゃれですね」などは、女性が言うと、人間関係の間合いをぐっと縮めるきっかけにもなります。
しかし、「褒め殺し」になってしまうと逆効果です。「巧言令色、鮮(すくな)し仁」にも通じ、言葉の多い人は、心がないと受け止められてしまうのです。
いずれにせよ、行いが敏ならば、決して低い評価にはならないはずです。
訥弁でも、能弁でも、肝心なのは実行力です。
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