森羅万象から学ぶ人生羅針盤「守るものを守るために、捨てるものを捨てる」
2026.08.31
森羅万象から学ぶ人生羅針盤「守るものを守るために、捨てるものを捨てる」
詩人・彫刻家の高村光太郎氏は、「重いものをみんな棄てると風のように歩けそうだ」と述べています。また、経営学者P.F.ドラッカー氏も、新しいことを始めるには、それまでの古い活動を計画的に廃棄することの大切さを説いています。
しかし私は、古いものを捨てればよい、とは思いません。
人生にも経営にも、時代がどれほど変わろうとも、決して手放してはならないものがあります。理念、信念、誠実、感謝、人を大切にする心――。時代を超えて守り抜くべき本質です。
一方で、その本質を守り続けるためにこそ、時代に合わなくなった考え方や方法は、潔く変えていかなければなりません。
これが、私の考える**「不易流行」**です。
不易とは、変えてはならない根。
流行とは、変え続けなければならない枝葉。
根まで変えてしまえば、自分を見失う。
しかし、枝葉まで昔のまま守ろうとすれば、やがて時代から取り残されます。
私はこれを、**「保守と革新の二刀流」**と捉えています。
守るべきものは頑固なほど守る。
変えるべきものは大胆なほど変える。
大切なのは、何を残し、何を手放すかを見極める眼です。
それは人間関係も同じでしょう。長い付き合いだからという理由だけで、互いの成長を妨げる関係に執着する必要はありません。ご縁への感謝は忘れずとも、人生の歩みまで縛られる必要はないのです。
人が持てる荷物には限りがあります。
新しい使命、新しい出会い、新しい挑戦を両手で掴もうとするなら、ときには古い荷物を下ろす覚悟も必要です。
ただし、捨ててはいけないものまで捨てないこと。
人生も経営も、すべてを新しくすれば進歩するわけではありません。
原点という根を深く張りながら、時代の風を読み、自らを変え続ける。
理念は不変、成長は漸進。
古いから捨てるのではない。
新しいから飛びつくのでもない。
未来へ持っていく価値があるかを、自らの理念に照らして選び抜く。
不要な荷物を手放したとき、人は身軽になります。
しかし、本当に大切なものを握り締めているからこそ、その足取りには迷いがありません。
不易を胸に、流行を取り入れる。
守るものを守るために、変えるものを変える。
それこそが、変化の激しい時代を、自分らしく、風のようにしなやかに歩き続ける人生の智慧なのです。
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