森羅万象から学ぶ人生羅針盤「情報の全体像を把握する」
2022.05.16
森羅万象から学ぶ人生羅針盤「情報の全体像を把握する」
前回に引き続いて、今回も連合国軍最高司令官を務めたダグラス・マッカーサー元帥による「日本人は12歳の少年」という発言(1951年5月のアメリカ上院軍事外交合同委員会)を検証します。
改めてこの発言は、「ドイツ人が起こした戦争犯罪は、大人の故意による悪事であるが、日本人の場合は、何も知らない子供が起こしたことで、その罪はドイツ人よりも軽い」という日本人をかばったものでした。
しかし、ここで問題なのが「情報の切り取り」がなされ、日本人に誤解を与えたということです。この部分だけを捉えると、まるで日本人は欧米人よりもレベルが低いとしか聞こえないからです。前回お伝えした通り、マッカーサー氏の発言の全体を確認すれば、日本人を民族として劣っているなどとは言っていないのです。
また、ある著名なタレントが、かつて「不倫は文化」と発言したとしてバッシングを受けました。しかし、実際には「良い音楽や文学は、不倫という文化からも生まれているものもあり、それが素晴らしければ称賛される」という趣旨の発言が切り取られたものだったのです。
それに、そもそも文化という言葉は「精神の在り様が言葉や行いに現れた状態を指すもの」であるため、良い悪いまでを定義してはいません。それなのに、まるで「文化=素晴らしい物」とするマスコミの意図的な誘導も問題なのです。
経営者やリーダーという立場になれば、マーケティングの結果や部下の報連相など、様々な情報を確認・分析しなければなりません。その際、情報の全体像を把握していないと物事の真実を見失い、誤った判断をしたり、人に操られたりすることがあります。そして、それが重大な経営危機に結びつくことを忘れないでください。
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