森羅万象から学ぶ羅針盤「脳のために遊ぶ」

2020.11.02

森羅万象から学ぶ羅針盤「脳のために遊ぶ」
　遊びは、我々の生活のために、科学的に有効とされています。
　それは、脳の構造と、深く関係しているからです。

　大脳は、外側の新皮質と、内側の古皮質・旧皮質で成り立っています。
　新皮質は、ありとあらゆる高度な精神活動を生み出しています。
　古皮質・旧皮質は、本能などに関係した活動を司るものです。

　そして、新皮質の活動は、古皮質・旧皮質の活力によって、支えられています。
　しかし、反対に、古皮質・旧皮質は、新皮質の働きによって、抑圧され、負担を感じているのです。

　そうして、古皮質・旧皮質の働きが鈍り、衰えると、皮肉なことに、新皮質の活動も低下してしまうのです。
　この負担が解消されないままだと、それがどんどん蓄積され、心だけでなく、身体の機能にも、いろいろな支障が現れてきます。

　新皮質の疲労は、睡眠によって解消されますが、古皮質・旧皮質の疲労は、睡眠では回復しないといわれています。
　そこで、遊びが必要とされるのです。
古皮質・旧皮質を、新皮質からの抑圧から解放するには、遊ぶことが最も有効なのです。
遊びによって、新皮質の理性を抑え、古皮質・旧皮質の本能を刺激するのです。
　そうすることで、古皮質・旧皮質の働きが活発化して、ひいては、新皮質の活動も活発化するのです。

　遊びをレクリエーションと訳すならば、わかりやすいかもしれません。
文字通りre-creation「再び創造されたもの」となり、古皮質・旧皮質の疲れを回復させ、新皮質の活力を取り戻す意味となります。

　遊びを要求することは「甘えている」「無駄だ」などと考えてはいけません。
脳の健康ために、科学的に有効なのです。精神衛生上、不可欠な作用なのです。
もちろん、遊び過ぎ、遊び半分などは、もってのほかですが、もし、遊びに対して誤解があるのであれば、科学的な根拠を理解し、すぐに改めるべきでしょう。

森羅万象から学ぶ羅針盤「脳のために遊ぶ」

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