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森羅万象から学ぶ人生羅針盤「学問を現在に生かす」
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森羅万象から学ぶ人生羅針盤「学問を現在に生かす」

2021.07.27

森羅万象から学ぶ人生羅針盤「学問を現在に生かす」
 中国の歴史書『十八史略』のなかに「俗儒は時宜に達せず。好みて古を是とし今を非とす」があります。
レベルの低い学者(俗儒)は、その時々の状況(時宜)に最も合致する考えを示すことができないだけでなく、何事も昔の方が良かった、現在は何もかもダメだと決めつけるという意味です。

 現在を否定し過去を肯定するようでは、学者としての使命責務を果たしていないように思えます。そして、これはまさに、以前ご案内した「彰往考来(しょうおうこうらい)」が実践されていない証拠なのです。

彰往考来は、中国の歴史解説書『春秋左氏伝』にある言葉で、江戸時代の水戸藩において形成された学問である水戸学の礎のひとつです。
 文字通り、過去をあきらかにして未来を考えるだけでなく、当然、現在においても役立つことが重要であることを意味しています。

 そもそも、学問は何のために行うのでしょうか。様々な答えや意見があろうかと思いますが、我々の幸せのために行うものであることは、間違いないでしょう。

 それは、現代に生きる我々の幸せに他なりません。特に、医学や工学などの、実学と呼ばれるものは、今を生きる我々の幸せづくりに役立ってこそ、その価値があるのです。

 それには、それまで学び積み重ねてきた知識や、様々に収集した情報を、現在の状況に合致させて、成果を生み出すことが求められます。
 昔は良かったというだけでは、ただの評論家です。必ず、現在の我々の幸せづくりに力を発揮してこそ、真の学者なのです。

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