森羅万象から学ぶ人生羅針盤「プライドを傷つけない」
2021.07.29
森羅万象から学ぶ人生羅針盤「プライドを傷つけない」
人を待たせることは、相手のプライドを傷つけることにつながるので、極めて注意が必要です。
例えば、飲食店では、お客さまがテーブルについたら、即座にオーダーを取りにいかなければなりません。仮に、順番待ちの行列を1時間近く並んでも、お客さまはそれほど苦にならないのですが、テーブルについたのにも拘わらず、5分経ってもオーダーを取りに来なければ、確実にクレームになります。着席した段階で、本当のお客さまになっており、待たされたことで、「客なのに無視された」とプライドが傷つくからです。
これに対して、第19代内閣総理大臣を務め、平民宰相と渾名された原敬には、待たせる相手のプライドを守る有名な言葉があります。
総理大臣になり、陳情に訪れたお客に対して、朝一番のお客には「あなたの話は、いの一番に聞かねばならんと思った」と言いました。そして、最後まで待たせたお客には、「あなたの話は、時間をかけてじっくり聞かなければならないと思い、最後までお待たせいたしました」と言ったのです。
もちろん、単に順番通りに会っているということは、お客も知っているのですが、仮にも総理大臣にこう言われれば、待たされてもプライドが傷つくことはないのです。
さらに、新日本製鐵の初代社長・会長を務め、第5代経団連会長に就任した稲山嘉寛氏の言葉にも、「商売で人を待たすときには、NOと言わなければならない人から会ってやれ。YESと言える相手はいくら待たしてもいいが、待たされたあげくNOと言われると、人間誰しも気分を害するからね」があります。
やむを得ない事情で、人を待たせてしまうことがありますが、それによって相手のプライドを傷つけてはダメなのです。こうした心遣いは、あらゆるビジネスの基本であることを、肝に銘じでおきましょう。
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