森羅万象から学ぶ人生羅針盤「責任意識を持つ」
2021.09.19
森羅万象から学ぶ人生羅針盤「責任意識を持つ」
クラレの社長を務めた大原総一郎氏の言葉に、「企業の在り方の中で、官僚主義ほど発展を毒するものはない」があります。
官僚主義とは、組織が大きくなることによって生じる弊害を表した言葉で、まさに大原氏の指摘通り、企業の発展の足を引っ張るものなのです。
まず、何事においても先例を優先します。「新しいことをやって、もし失敗したら」と考えてしまうため、イノベーションに目が向かないのです。
さらに、組織が大きくなれば、派閥や縄張りができ、それに伴って協力体制を拒むようになり、自分の権限に固執したり、権力争いをしたりするのです。
そして、組織が縦割りとなり、極めて閉鎖的で、秘密主義が蔓延してしまうようになります。
まだまだ特徴はありますが、これらに共通して言えることは、何事に対しても、責任回避の姿勢で臨んでいることです。
失敗を恐れるのも責任回避です。派閥や縄張りを主張することで、自分には直接関係のない仕事に対して責任を負うことはなくなります。さらに、閉鎖的で秘密主義になれば、自らの責任すらも隠蔽するようになります。
これに対して、経営学者P.F.ドラッカー氏は「リーダーシップとは権力ではなく責任である」「知識社会では責任が権力の源泉」と指摘しています。
つまり、権力と責任は表裏一体であり、責任をとらずに権力に固執する官僚主義は、まさにナンセンスの極みともいえる考え方なのです。
まず、何事においても、責任意識を持つことです。そうすれば、新しいことに挑戦してみようと思うようになり、成果を上げることができれば、組織の発展にも貢献し、健全な権力を手にすることができます。まさに、企業発展の基本は、責任意識にあることを肝に銘じておきましょう。
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