2026.09.17
森羅万象から学ぶ人生羅針盤
「事実を積み重ね、真実に近づく」
最近、ある出来事を通して、自分自身の生き方を改めて見つめ直す機会がありました。そして64歳になった今だからこそ、ストンと腹の底まで落ちた、大きな気づきがあります。
振り返れば、30代、40代の頃の私は、何事にも**「即断行」**の精神で突き進んできました。
これだと思えば迷わず決める。腹を決めたなら、何があろうとやり抜く。その負けじ魂と行動力があったからこそ、幾多の困難を乗り越え、今日まで歩んでこられたことも事実です。
しかし一方で、もともと短気な私は、自分が正しいと思えば、時には相手をねじ伏せるように突き進んだこともありました。納得できないことがあれば、湧き上がった感情を、そのまま相手にぶつけてしまったこともあります。
今になって振り返れば、それもまた、未完成だった自分の姿です。
そして今回、改めて気づきました。
「即断行」と、感情のままに突き進むことは、まったく違う。
即断行とは、感情に任せて物事を決めることではありません。
見るべき事実を見極め、考えるべきことを考え、腹の底で「やる」と決めたなら、責任を背負って断じて行うことです。
では、怒りや憤りが湧き上がった時、どうすればよいのか。
今回、その答えとなる三つの言葉が、私の心に深く刺さりました。
感情を事実に変える。
批判を質問に変える。
憤りを解決策に変える。
これは、これからの私自身への戒めであり、誓願でもあります。
腹が立った時ほど、すぐ相手にぶつけるのではなく、**「実際に何が起きたのか」**と事実に立ち返る。
誰かを批判したくなった時ほど、**「なぜ、そうなったのか」「何を確認すれば分かるのか」**と質問に変える。
そして憤りが込み上げた時ほど、**「では、どうすれば解決できるのか」「二度と繰り返さないために何を改善するのか」**と未来へ向ける。
怒りや憤りそのものを、なくす必要はありません。
大切なのは、その感情に自分が支配されないことです。
感情の持つ強烈なエネルギーを、人を責める力ではなく、問題を解決する力へ変える。
これこそが、年輪を重ねた今の私に求められている生き方なのだと思います。
そして、もう一つ大切なことに気づきました。
それは、「事実」と「真実」は同じではないということです。
事実とは、実際に起きた一つひとつの出来事です。
いつ、どこで、誰が、何を見て、何を言い、何をしたのか。記録や証言を照らし合わせながら、一つひとつ確認していくものです。
一方、真実とは、一つの事実だけを見て簡単に決めつけられるものではありません。
幾つもの事実という「点」を積み重ね、その点と点を丁寧につないだ先に、ようやく物事の本当の姿が浮かび上がってくる。
だから私は、**「真実を見抜く」よりも、「真実に近づく」**という姿勢を大切にしたいと思います。
人間は、ともすれば自分に都合のよい事実だけを拾い集め、「自分が正しい」「相手が間違っている」と決めつけてしまうものです。
まして感情が高ぶっている時ほど、自分の見たいものしか見えなくなる。
だからこそ、相手に不利な事実だけではなく、自分に不利な事実からも目を背けない。
分からないことは、分かったふりをせず、**「分からない」**と認める。
そして何より、
「自分が見ている事実だけが、すべてではない」
と自らを戒める。
その謙虚さがあって初めて、人は真実へ近づけるのではないでしょうか。
今回、ここまで考えて、私は一つの言葉に辿り着きました。
堅忍力行。
堅忍とは、ただ黙って我慢することではありません。
感情を押し殺すことでもない。
怒りや憤りに心を支配されず、事実を冷静に見極め、そのエネルギーを前へ進む力へ転換する。
そして、腹を決めたなら――
即断行。
若い頃は、相手に勝とうとした。
これからは、己の感情に勝つ。
人をねじ伏せるのではなく、自分自身を律する。
感情で決めつけるのではなく、事実を確かめる。
批判する前に問いかける。
憤るだけで終わらず、解決へ動く。
そして、一つひとつの事実を積み重ねながら、真実へ一歩ずつ近づいていく。
64歳になっても、私はまだまだ未完成です。
いや、未完成だからこそ、人生は面白い。
順境も逆境も、成功も失敗も、そして腹の立つ出来事さえも、自分の心を磨く教材に変えることができる。
まさしく、森羅万象すべてが師なのです。
今回の気づきを、一時の反省で終わらせないために、これからの自分自身への誓願として、ここに刻みます。
感情を事実に変える。
批判を質問に変える。
憤りを解決策に変える。
そして――
事実を積み重ね、真実に近づく。
感情が大きく動いた時こそ、己の心が試されている時。
一度立ち止まり、事実を見る。
自分に不都合な事実からも逃げない。
そして、真実に近づく努力を尽くしたなら、腹の底で決める。
堅忍力行。
そして、即断行。
人生二度なし。
一日一生。
昨日の自分を一ミリ超えるために、今日もまた、自分自身を磨き続けてまいります。
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