森羅万象から学ぶ人生羅針盤「長所は、見つける人の心に宿る」
2026.09.03
森羅万象から学ぶ人生羅針盤「長所は、見つける人の心に宿る」
アメリカの思想家エマーソンは、「雑草とは何か。それは、その美点がまだ発見されていない植物である」という趣旨の言葉を残しています。
植物学者・牧野富太郎氏も「雑草という草はない」と語ったとされています。また昭和天皇も、どんな植物にも名前があり、それぞれの場所で懸命に生きているのだから、人間の都合だけで「雑草」と決めつけてはいけないという趣旨のお考えを示されています。
私はここに、人を見る上での大切な教えがあると思うのです。
人は、とかく自分の物差しで他人を評価します。
仕事が速い、話が上手い、頭の回転が速い――目立つ長所には気づきやすい。しかし、口数は少なくても誠実な人、華やかさはなくても黙々と責任を果たす人、誰も見ていないところで仲間を支えている人もいます。
目立たないから、価値がないのではありません。
まだ、その人の美点を見抜く眼がこちらにないだけかもしれないのです。
野に生きる草も、人間から見れば邪魔になることがあります。しかし、その草陰を棲み処とする小さな生命があり、土を守り、自然の循環を支える役割もある。一つの方向から見ただけでは、その存在の本当の価値は分かりません。
これは人間も同じです。
誰にでも長所があり、誰にでも役割がある。
大切なのは、欠点を探して人を裁くことではなく、その人にしかない一ミリの美点を発見し、磨き、活かすこと。
私は、それもまた「凡人の美学」だと思っています。
人を育てるとは、ないものを無理につくることではない。
その人の中にすでにある小さな光を見つけ、信じ、光が届く場所へ導くことです。
森羅万象すべてが師。
名もなき草一本にも、存在する意味がある。
ならば、人にはなおさらです。
人の欠点を見る眼より、長所を発見する眼を養う。
一人の美点を見つけることが、その人の人生を輝かせ、やがて組織全体を照らす光になるのです。
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